連続セミナー

平和と暮らしの今を語る――「格差社会と市民生活」

2007年6月8日、県民サポートセンター

 

和田茂の報告

 

どうも皆さん今晩は。お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。私は、ただいまご紹介頂きましたITF国際運輸労連で太平洋地域部長をしております和田茂でございます。同時に現在は社民党神奈川県連合の副代表として、今年の夏の参院選に神奈川選挙区から立候補する予定にしております。

今日は「格差社会と市民生活」というテーマの中でお話させていただきます。格差社会の問題といっても、労働の問題あるいは福祉の問題、医療の問題とさまざまな問題がありますが、今日は労働の問題に的を絞ってお話をさせて頂きます。労働の問題に的を絞る理由といたしましては、一つは全就業人口の85%がいわゆる給与生活者であるということ、二つ目は格差の根幹にあるのがやはり価値を生み出す労働の場の問題だということ、それからもう一つは、私が元々労働組合の事をしているので労働のことは話やすいということです。

それで、話のポイントをあらかじめ申し上げておきます。

格差社会だとかあるいは格差の拡大とよく言われますけれど、あたかもそれが避けることの出来ないもの、あるいは景気を拡大していく中で仕方のないものという捉えられ方をされることがありますが、私はそうは思っておりません。格差の拡大あるいは格差社会というのは、決して自然現象ではないということ、そうではなくてある特定の政策の結果だということです。それから、より公平な人間的な暮らし、それを作っていくこと・・ある意味では格差社会の対極にあることですけれども・・それは、十分可能なことですし、出来るということです。そして、その為には、社会運動と言いますか、特に政治を変えるということが重要なポイントになる。そういう視点でお話させて頂きます。

 

まず始めに現在の状況がどうなっているのかについてスライドを中心にお話をさせて頂きます。皆様のお手元にもスライドをコピーしたものをお配りしているので見て頂きたいと思います。

現在、日本で一年間に生み出される価値の分配を考えた時に労働者の取り分がどうなっているか。これを労働分配率といいますが、ここ数年間に急激に下がってきています。97年に66%だったものが、2005年には60%を割り込むところまでこの6〜7年の間で6%下がってきている現実があります(スライド2)

もっと具体的にいいますと、働いている人の賃金が下がり、逆に会社の役員の方の報酬や株主への配当が上がっているということです。この6年間、2001年から2006年の初めというちょうど小泉政権が誕生したくらいから終わりくらいまでの時ですけれど、賃金は初めを100とすると94.2になっています。6%近く下がっている。それに対して会社役員の報酬は197.3に増えています。それから、株主への配当はものすごく増えて274.8ですから2.7倍にもなっています(スライド3)

それから給与がどういうふうに減ってきているのかということを見てみますと、01年から減少がはじまったのではなく、実は97年をピークにして8年連続で減り続けています。97年の平均給与が467万円だったのですが、05年では435万円まで落ちています。これはあくまで平均です(スライド4)。これをもう少し詳しく見てみると、実は大企業の方の給与というのは減っていないのです。わずかですが増えています。これに対して中小・零細で働いている人の給与が急激に落ちている。あるいは正社員から非正社員になる方の比率が非常に増えている為に全体の平均給与が落ちるという形になっています。

労働者の側の問題はこれにとどまりません。給与は減っているのに税金などの負担が非常に増えているということがあります。それをこのグラフで示しています(スライド5)。ほとんど毎年のように税の負担が増えていますし、社会保険料の負担も増えてきています。それに対して、大企業に対する法人税の減税ということ、あるいは株式の売却益等に対する金融所得への優遇措置はかえって強化されていますので、一般に働いている人は負担が増え、お金持ちの人は負担が減るという現象が起きているということです。

そういう中で起きていることが、正社員からパート・派遣・契約労働者への切り替えです(スライド6)。96年に21%だった非正社員の比率は、2006年には33.2%に、だいたい3人に1人が非正社員という形になっています。これは、あくまでも平均ということですから、たとえば若者だけを取ってみるとだいたい半分が非正社員です。若者の場合にさらに問題なのは、現在政府統計で400万人弱の失業者がいますが、その半数が若者に集中しています。今、一番のしわ寄せを受けているのが若者、つまり新しく労働市場に入ってきている人たちだということです。

それで、非正社員と正社員の間の待遇差別という点を見ると、平均すると1ヶ月で正社員の方の月収が318,500円なのに対して、非正社員の人の月収は181,400円。あくまでも平均ですからこれより低い人はまだ沢山いらっしゃいますが、正社員の6割ぐらいの収入しかないということです。それを男女別に見ると、男性の場合の時給が正社員はだいたい2,000円なのに対し、パートだと1,000円、半分です。女性の場合は正社員とパートの人の時給差は男性ほどではありませんが、女性の正社員自体が男性よりはるかに低い賃金となっていますから、パートで働く人の賃金は904円と本当に低くなっています(スライド7)

こういう一連のことは、決して自然現象でおきているのではありません。政治が作り出したものだと私は思っています。後で海渡先生にお話頂けると思いますが、労働者派遣法が変えられまして、それまでは原則として、旅行の添乗員や客室乗務員など、これとこの職種には派遣を認めるという形になっていたのですが、今度は逆転して、これとこの職種以外はすべて派遣をしてもいいという形の法律に変えられてしまいました。この変更も含めて、労働関係の規制が緩和されてきた結果、企業は正社員を減らして非正社員を雇うことが非常に簡単になりましたし、またそれが奨励されるような形になってきました。さらに今後、もっと人員削減しやすくするように、たとえ不当な解雇をしても金銭で解決すればいいという、そういう考え方が法律の中に取り入れられようとしています。

それから、非正社員へのこれほどの差別待遇を許している現状は、世界的に見て日本が突出しています。他の先進国では原則として、正社員で働くこととパートで働くこと、あるいは契約社員で働くことは、働く時間が違うだけで時間あたりでは同じ給与を払わなければいけないということが確立しています。日本は昔の士農工商社会じゃないですけれど、あたかも身分が違うかのような扱いをしても、それが社会的に許されている不公平さがあると思います。

政府は現在、パートの労働者に対して形だけの改善策を取ろうとしています。パート労働者の厚生年金加入を義務付けるということですが、よく調べてみるとたった1%か2%の人しか対象にならないのです。98%の人が対象外では改善策とはとても言えません。

現在、最低賃金制度が地域別と産業別とで定められていますが、この最低賃金だけでは生活できない金額になっているのが現状です。その意味では本当の最低賃金として確立していないと思います。それからさらに、一時期大変話題となりました「ホワイトカラーエクゼンプション」、つまり事務所で働く人について残業代を支払わなくても良いということが計画をされています。

 

次に、日本の現状は国際的に見てどうなのかということを少しお話したいと思います。最低賃金だけで比較をしますと、OECDに入っているヨーロッパの主要国がだいたい17〜21万位の月収になるように最低賃金が決められているのですが、日本の場合だと全国平均で115,000円位にしかなりません(スライド9)

現在の全国平均の最低賃金の時給は673円、神奈川は717円、神奈川と東京が一番高いところですけれど、それでも717円です。もし年収200万円をこの時給で稼ごうとすると全国平均だと年3000時間働かなければなりません。年3000時間というのは普通、週40時間働いている場合だと一年で1800時間位ですから、寝る以外は働いているという本当に人間としての暮らしが出来ないような労働時間になります。神奈川の時給でも2800時間働かないと年収200万円に到達しません。

この最低賃金を引き上げることにすら、日本ではものすごい抵抗があります。たとえば社民党の福島党首が「サンデープロジェクト」だったと思いますが、最低賃金を全国どこでも1000円以上にすべきだとテレビで発言しました。日本の政党としてははじめて具体的な数字を示したのですが、そこに出られていた他政党や評論家の方々は「そんなの非現実的だ」と本当に袋叩きのように福島さんに反応されました。

しかし他の国に目を転じてみると、だいたい常識的な範囲の引き上げを物価の上昇率にあわせて毎年やっています(スライド10)。最低賃金には最も冷たいといわれていたイギリス・アメリカでさえ、この間政策を変えてきている。たとえばイギリスは8年前までは最低賃金についての決まりはありませんでした。しかしブレア政権になって直ちに最低賃金制度が導入されました。現在の最低賃金は5.35ポンドで、日本円に直すとだいたい1300円位です。これより低い賃金は法律で罰せられるわけですから、イギリスでは現在認められていません。

それからアメリカでは、去年の秋の中間選挙で、ブッシュ政権があまりにひどいということで、共和党が持っていた多くの議席を民主党が奪い取り、逆転させました。その時の民主党の公約の大きな柱の一つが最低賃金の引き上げでした。その結果、新議会になって最初の仕事としてこれが行われました。現在のアメリカの連邦(全国)レベルでの最低賃金が5.15ドル、これは670〜680円位だと思いますが、それを2008年から7.25ドルだいたい900円位に引き上げることになっています。

ただこれは、アメリカ全土でこれより低くてはいけないというものであって、アメリカでは州ごとにさらに最低賃金が決められています。カリフォルニアの場合は現在でも7.5ドルです。これが来年から8ドルになるということになっています。8ドルだとだいたい1000円ですね。

その他カナダでもニュージーランドでも、こういうどちらかというと規制をすることに対して非常に慎重だったアングロサクソン系の国でも、最低賃金が引き上げられているという現象があります。

それから賃金だけではなくて、現在の日本の労働実態を見てみると、長時間労働が世界の中で非常に突出しています(スライド11)。これは、1週間に50時間以上働いた人の割合がどのくらいあるかということをグラフにしたものです。日本はだいたい3割近くの人が1週50時間以上働いています。もう、ヨーロッパは、だいたいそんな人は5〜6%しかいないわけです。アングロサクソン系はヨーロッパより少し多いけど日本ほどではありません。

ところが、日本の場合はもっとひどくて、これは50時間ですが、別な統計で、さらに10時間多い週60時間以上働く人を調べたら、25歳から40歳までの働き盛りの間で3割もいるのです。

これに絡めて言うと、今度安倍政権が残業代の割り増し率の引き上げをやるということを、一生懸命いっています。 しかし、どういう案になっているかというと、1ヶ月に80時間以上残業した場合に80時間を超えた分だけ、現在の2割5分増しから5割増しにします、というのが改正内容です。1ヶ月80時間以上の残業をして、もしたとえば死んだ場合は過労死として認定されます。過労死に到達するような状況だからしてはいけないということになっているのに、それを超えた場合にだけ5割増しにするという法律を作ろうとしています。こんな長時間の残業ははっきり禁止することが政治の仕事であって、非常に形式的な改正を提案することではないはずです。

日本の場合、何でこれほど残業が多いのか。実は他の国にない大きなからくりがあるのです。そもそも他の先進国場合は、だいたい残業の割り増し率が25%というところはほとんどありません。最低でも50%、それで、休日出勤は100%割り増しです。それなのに日本は25%です。日本の場合はしかも残業代の計算基準が、普通の家族手当だとか住宅手当だとか、あるいはボーナスとかを除外した賃金を時間で割って基礎額とし、25%割り増しを計算しています。ですから実際には、残業しないときの年収を時間で割った賃金より、25%の割り増しを支払った残業単価の方が安くなるのです。もちろん別の人を通常の賃金で雇うよりはるかに安くなります。

皆さん残業代割り増しだから普段より多くもらっていると思われるけれども、実際に計算してみると残業代71%割り増しで始めて普通の賃金と同じだけの賃金になるそうです。だから、残業をさせればさせるだけ会社の労働単価は下がる仕組みになっているということです。だから会社はなるべく長時間労働をさせようとするというのが現状だと思います。さらには、

そういう現状ですから、日本の中にはワークシェアリングをして雇用を増やしてあげようという考え方がほとんど芽生えてこないわけです。ヨーロッパ、特に大陸側ではこの間十数年にわたって、特に若者の失業対策ということで、皆が働きすぎないで労働時間を削って一人でも多くの人に雇用が生まれるようにする努力が続けられてきましたが、日本ではそういう発想は育っていません。

それから海外の例を見ると、一番今進んでいるのがEUです。これは、ヨーロッパの27カ国全体を対象とする法律ですけれど、パート・派遣・契約労働者とフルタイム、つまり普通に働く正社員との間の差別をしてはいけないという原則が法律によって確立しています。これは「時間比例の原則」といわれ、パートタイムの人などに対する均等待遇が保障されています。たとえば正社員が40時間働いて得ている賃金があるとしたら、週30時間働くパートタイムの人は正社員の人の4分の3もらわなければいけない。1時間当たりにしたら同じ賃金になるようにしろ、という原則が掲げられているわけです。

ところが、日本ではまったくそういう概念がなくて、差別待遇が許されている現実があります。それからもう一つは、これもEUが法律で決めていることですが、パートタイムからフルタイムに移りたい人、フルタイムからパートタイムに移りたい人は、使用者は可能な限りそれをかなえるようにしなければいけないという努力義務が課せられています。これは、そもそも働いていると、生活のライフスタイルに合わせて子供が生まれた、育児をやっぱり自分がしたいという時にフルタイムでは働けないけれど、パートで働けるというような選択、あるいは、一段落したから、フルタイムに戻りたいというような選択を出来やすくするという仕組みです。こういう概念も日本の中では残念ながら確立していません。

それから、もう一つヨーロッパにあるのは、法律だけではなくて社会全体が、労働組合・市民団体、皆が運動して守らせているという現実があります。その点でも日本はお寒い限りです。

世界全体を見てみますと、労働関係をつかさどっている国連の専門機関ILOは、今、「ディーセントワーク」という事を世界中で実現しようと一生懸命運動しています。2015年を達成目標にして、とにかく皆が人間らしい労働と暮らしが出来るような社会を作ろうというキャンペーンです。

日本もそれに参加していますが、ざっと見ただけで日本の中でディーセントワークに達してないと思うことがいくつもあります。一つは明らかに若者ですとか女性・高齢者の間の失業問題があります。それから二番目に、働いても働いても普通に生活できない、生活保護の水準にも届かないような賃金しか得ていない人が日本中で急増している。これは、国際的には不完全就業と言いますが、仕事があってもその仕事だけでは生活していけない人、失業ではないけれどそれに近い状態の人という人たちが増えています。それから、年齢差別・性差別、特に女性差別が日本では依然として広く行われていると思います。労働基本権の制限もILOの基準を現在の日本は満たしていません。

 

私はこういった今の新しい状況、十数年前までは日本は総中流社会と言われていましたけど、そういう社会から格差社会へとどんどん変わってきている状況は、私は社会運動で変えることが出来るものだと考えています。今ある格差は自然現象で生まれたものではありません。格差が作られた物であるならば、私達の力で変える事が出来ると思います。

その中で一つ注目しているのは、新しい型の組合といいますか、最近労働組合といわないで「ユニオン」と意識的に使われているようですが、次々と生まれています。今までの労働組合は企業別の組合になっていて、正社員の人だけしか相手にしてこなかった。そのために、新たに急増している非正社員、本当に困っている人たちの層をカバーしていないのです。そこを変えていくために、パート・派遣・契約の人が自由に入れるような組合が増えてきています。

一時期は日本で春闘が死んだと言われていました。今のこの現実を見ていると、「生活出来る賃金をよこせ」という要求、20数年前まで皆が一生懸命掲げていたスローガンがもう一度大切になってきていると思います。

それからもう一つ、メーデーです。だいたい120年位前だったと思いますが、メーデーが始まった時の世界の労働者の要求は8時間労働制でした。8時間労働制を要求したのは、24時間を3つに分けて、8時間を労働、8時間を睡眠、残りの8時間を人間らしい家庭生活や社会生活に使うということで8時間労働制を要求したわけです。だけど、今の日本ではいつの間にかそういう気持ちを失っているのですね。大部分の働く人の現実は、16時間会社、8時間睡眠、家庭生活や社会生活がまったくない生活なのに、それに誰も不服を言わない。受け入れていっている。これが変わらなければいけないと思います。この状態を続けていったら、人間が壊れるだけでなく、社会が壊れると思います。私は人間らしい暮らしを実現するために今こそ日本で原点に帰ったメーデーをもう一回やって8時間労働制をきっちり社会の中に本当の意味で実現していくべきだと思います。

で、その意味では労働組合・市民運動・政治が一体となって頑張れば、流れは変えられます。その点で今すぐ出来る労働格差対策といいますか、いくつかあると思います。これだけに限られているわけではありませんが、まずは最低賃金を全国一律1000円に引き上げることが大切だと思います。一度にやるか段階的に引き上げるかということはありますけれど、そうした時に中小企業や零細は1000円ではやれないとよく言われます。

しかし考えてみれば、中小企業や零細企業が1000円でやれない一番大きな原因は大企業がコスト管理で下請けへの価格を非常に低く抑えていることにあります。大企業の買い上げ価格というのは単価を本当に細かく積み上げた結果のものですから、そこで労賃を700円とか800円として積み上げていることが問題なのです。その点では社会全体で最低賃金引上げの運動をおこすことで、大企業への社会的圧力となり、中小・零細の状況の改善になると思います。もう一つは、政治として中小・零細に対する優遇策を、たとえば社会保険の使用者負担分を引き下げるとかの特例措置を取ることで緩和できると思います。

それから2番目には非正社員への差別待遇を直ちに禁止することだと思います。「時間比例の原則」を導入していかなければいけないと思います。3番目は最近非常に大きな問題になっている派遣労働による中間搾取の禁止です。

私は実は交通運輸の組合の出身なのですが、港湾の方も私がかかわっている組織に入っています。昔この横浜でもたとえば寿町あたりで、港で働く人達を確保するために手配師の人がトラックで乗り付けてきて、そこに人を呼び集めて現場に連れて行き、仕事をさせて日払いでお金を払う。だけど、実はそこのところにものすごい4割から5割のピンはねがされていたという現実がありました。その中間搾取をなくすためにそういう手配師を禁止してきたのが私達の運動だったわけです。で、その結果、手配しをなくすことができたのです。ところが今、派遣労働で行われているのはほとんどピンはねの現実です。

今回、私自身も勉強したいと思って調べていたのですが、たとえば、フルキャストという大きな派遣会社があります。自動車工場などの現場に人を派遣しているところです。そこの事例を見てみると、募集する時は、沖縄とか東北・北海道に行って、「1ヶ月32万円以上の収入可」という大きな広告を出すのです。そうすると皆、地方に仕事がないわけですから、その賃金に惹かれて応募してくるわけです。しかし実際に働いてみると支給が23万か24万しかない。そこから寮費だとかそういうのを引かれて、15〜16万しか手取りがないというのが現実だそうです。ほとんど詐欺のような募集の仕方がされている。

しかもその中で全く同じ仕事をしている人が季節労働者として企業のいわゆる有期契約で来ているのですね。その人たちとの賃金差をみたら、1年間で大体100万円ほどの違いになるほど差があるそうです。その上、期間工の人は工場で寮に入って寮費はただです。それに対して、派遣の人は寮費を1年間50万円位払わなければいけない。だから、年収にすると150万位の差が出ているのが現状です。ここにある差は、いったいどこにいっているのか・・誰が取っているのかということを問い直すと、今の派遣業の大部分は大っぴらに中間搾取しているものだと思います。その中間搾取を廃止することが大切だと思います。

それから、時間外労働の最低割り増し率を50%に引き上げることをやらなければいけませんし、8時間労働制を遵守させるように労働監督官の厳しい仕事が必要になってくると思います。

支出面では、今月まだ給料をもらわれていない方が大部分だと思いますが、今月給料をもらうと地方税が増えて、なんでこんなに増えているのかと思う方が多いと思います。この間の定率減税の廃止というのは、本当に大きな打撃を与えていると思いますし、これはただちに戻すべきだと思います。もともと定率減税が導入された時は、国民に対しては建前上は一定期間の措置だけけれども、ほぼ恒久的にやるための減税だと政府は説明したのです。けど、それを今になって、廃止するというのはある意味で詐欺行為だと思います。

 

話が長くなりましたが、申し上げたかった事は、今の格差の現状というのは、国際的に見ても非常に異常ですし、日本の中で皆が黙っていられない状況まで来ているということです。そして、これを変えることは決して不可能なことではないですし、私達の力でできることだということです。

その為には、皆さんの一人ひとりの社会運動と政治が一緒になってやらなければいけない。その意味では、ちょっと宣伝させてもらいますと一人でも多くそういう問題について考えていく国会議員を増やしていただきたいと思います。私はその意味では、もし国会で仕事ができるようになれば労働問題あるいは格差の問題というのを一つの柱にして活動していきたいと思っています。